被爆証言を7ヵ国語翻訳、ネットに 京都外大が国連と協力
- 10カ国語の翻訳字幕が付いた被爆者のインタビュー映像。写真は森田隆さん=国連のウェブサイトより
京都外国語大の学生や教員が翻訳し、字幕にした在外被爆者6人のインタビュー映像を、国連が1日からインターネットで公開する。大学が全10カ国語中、フランス語やドイツ語など7カ国語を担当。学生は「核兵器廃絶への願いが世界に届いてほしい」と願っている。
インタビューの発信は国連の潘基文事務総長が2010年8月の広島平和記念式典で提唱した。広島や長崎で被爆した後に海外で暮らしている被爆者の体験を記録している映画監督の竹田信平さんが映像と英語訳を提供した。被爆証言の発信に取り組む京都外大の長谷邦彦教授に協力依頼があり、大学を挙げて作業に取り組んだ。
日本人学生や留学生、教員約60人が被爆者12人のインタビュー映像について7カ国語の字幕を作っている。今回は米国とメキシコ、ブラジル、ペルー、ボリビア在住で日本出身の男女6人の映像を公開する。
広島で被爆し、現在はブラジルで食料品店を営む森田隆さんの韓国語訳は、日本語学科4年の林山璟(リムサンギョン)さん(22)が担当した。現地で語り部活動を続けている森田さんの姿に「思い出したくない記憶のはずで、すごいと感じた。同じ人間として核兵器を二度と使ってはならないと思った」と話す。
長谷教授は「日本ではなく南北アメリカ大陸の被爆者証言が紹介される。被爆者をグローバルな存在として認識してほしい」と期待する。映像はhttp://www.hiroshima-nagasaki.comで。残り6人の映像は10月に公開予定。
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