2012年6月4日月曜日

中皮腫、発症前に血液で診断


中皮腫、発症前に血液で診断 順天堂大チームが成功

アスベスト(石綿)が主な原因とされるがんの一種中皮腫について、発症前に患者予備軍を血液検査で見つけ出すことに樋野興夫・順天堂大教授らが成功した。中皮腫は、早期診断が難しく発症すると病状が進むのが早い。発症前に診断できれば根治が期待できる。研究チームは検査に広く使えるよう開発を急ぐ。
今のところ有効な早期診断法はまだない。チームは、中皮腫のなかでも日本人に多い上皮型と呼ばれるタイプの検査法を研究していた。中皮腫を発症した人は、血液中の特定のたんぱく質の濃度が高くなることに注目した。
今年3月まで5年間、アスベストを吸い込む可能性が高い土木や建築などの工事に関わる約3万人の血液を調べた。うち200人のたんぱく質の濃度が高くなり、うち2人が中皮腫を発症。2人は発症前からたんぱく質の値が高かった。
樋野教授は「症例数を増やすとともに、追跡調査を続けて精度を上げて、簡単で安い検査法を確立したい」と話す。
厚生労働省研究班研究代表者の岸本卓巳・岡山労災病院副院長は「中皮腫の治療は発症前診断がかぎ。だが、現在は胸部CTなどの画像から読み取るしかないが精度が低い。症例が少ないが、今後に期待が持てる成果だ」と話している。
中皮腫の治療は発症前診断がかぎ、早期発見は画期的。

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